体の不調を訴える人で腰の痛みに悩んでいる人は多くいらっしゃると思います。たとえ若い人であっても慢性的な腰痛を抱え、重い荷物を上司に運べと言われた時に、断ることもできずに恐る恐る運ぶこともあろうと思います。
今日は、慢性腰痛で重い荷物にビクついている人のための考え方を紹介します。
腰痛持ちなのに会社の上司に若いからと荷物を運ばされている人
慢性腰痛に悩んでいる人
腰痛は年寄りの病気か?
年齢とともに背骨が変形したり、骨粗鬆症の影響で骨の強度は落ちていきます。
結果多くの人は
「年齢を重ねたのだから腰痛の症状が出ても仕方がない」
と思われがちです。
確かに、変形性腰椎症などの高齢者に多い腰痛もあります。
では、若い人なら腰痛は起きにくいのかというとそういうわけではありません。
実際には、若い人の方が腰痛の原因となる動作をすることが多いです。
- 激しいスポーツ
- 引っ越しなどの重い荷物を持つ
- 長時間の座り仕事
などです。
反対に高齢者の場合は、上記のような腰を痛める動作をする機会が少ないので、全体的な腰痛の罹患率には、年齢差はありません。
私自身、学生の頃にはまっていたスノーボードがきっかけで20代で慢性腰痛になってしまいました。
若い人でも腰痛になる人はたくさんいる
慢性腰痛の人はどうすればいいか?
ギックリ腰になってしまった人は、まともに歩けませんし、重い荷物を持つことなどできるわけがありません。
それでも時間をおいて休むことで、だんだんと回復して重い荷物を持つことができるようになります。
では、下記のような慢性腰痛の人はどうでしょう
- 腰に違和感がある
- 腰を反らすと痺れる
- 腰を曲げると痛みがある
このような症状が3ヶ月以上続いている慢性腰痛の人には運動やストレッチといった治療が効果的という論文がたくさん出ています。
実際、私自身、整形外科の先生に診てもらった時には
運動やストレッチで腰回りの筋肉を鍛えていきましょう
それでも痛みのある運動は控えてください
こういったアドバイスをいただきました。
もちろんいきなり重いものを持つことはできないでしょうが、少しずつ慣らしていくことである程度「何でも持てる体」を維持することはできます。
運動やストレッチで重いものでも持てるようになる
腰痛の原因
聞いたことがあるかもしれませんが、昔から腰痛の原因は人間が2足歩行に進化したことが原因と言われています。
しかしながらこれは完全な間違いです。
なぜならコーギーやダックスフンドといった4足歩行の犬でさえ椎間板ヘルニアなどの腰痛を持つからです。
つまり、4足歩行だろうが2足歩行だろうが全く関係がありません。
腰痛の原因は、遺伝的な要因や生活環境、事故など様々な因子が関係しています。
しかし、遺伝的な要因や突発的な事故を除いても直接の原因として
姿勢が悪い
腰の使い方が悪い
などで腰痛が起こることは間違いありません。
この記事では、「慢性腰痛」の人は、トレーニングすることで「重いもの」を持てるようになると紹介しましたが、まずは病院で腰痛の原因や腰の状態を確認してもらって医師のアドバイスに従ってください。
またの機会に紹介しますが腰痛を引き起こす疾患は、私が知っているだけでも10以上あります。必ず自己診断で無茶な運動をするのではなく、正しい運動の仕方を専門家に聞いてください。
腰の痛みが長引く時は医療機関に受診する
10人に一人は腰痛
腰痛は風邪のように、誰でもいつでも腰が痛くなってしまう可能性があります。
厚生労働省の国民生活基礎調査を見ると、腰痛に悩まされている人がいかに多いかがわかります。
整形外科関連の症状で多いのは以下の通りです
男性では1位:腰痛 2位:肩こり
女性では1位:肩こり 2位:腰痛
腰痛に関しては男性の方が多い罹患率ですが、男女の平均をとると10人に一人は腰痛で困っています。
さらに平成28年の国民生活基礎調査において
通院患者率の多い疾病は
男性・・1位:高血圧
2位:糖尿病
3位:歯の病気
4位:目の病気
5位:腰痛症
女性・・1位:高血圧
2位:目の病気
3位:歯の病気
4位:腰痛症
5位:脂質異常症(高コレステロールなど)
となっており腰痛が上位に入っています。
また、一生のうちで腰痛の経験がある人は9割以上という結果もあります。
いかに多くの人が腰痛に悩んでいるかがお分かりいただけると思います。
まとめ
自分は腰が悪いから重いものを持てないとか、持ってはいけないんだという風に考えている人が多いと思います。
また、仮に腰の痛みが引いたとしても腰痛の恐怖を知っているがために重いものを持たないように逃げ続けてしまいます。
もちろん、無茶な負荷をかけてしまっては腰にも悪影響が出ると思います。
しかし、少しずつ体を慣らして腰を鍛えることで本来の健康体に近ずくことができます。いずれ腰痛前のように重い荷物も臆することなく運べるようになるでしょう。
腰痛に対して前向きに努力すればステップアップすることができます。