勉強や仕事において暗記しなければいけないけれども、なかなか覚えられないことってありますよね。
今回は、記憶力アスリートも使っている代表的な5つの記憶法を紹介します。
連合記憶法
これは、覚えたいものの内容を他の内容と結びつける方法になります。様々な手段がありますが、代表的なものは「地図法」と呼ばれるものです。
これは家から駅までの道順などに、記憶の対象と目印を結びつけてストーリーを作る方法になります。
例えば、歴代の総理大臣と会社までの道順を結びつけます。
会社に行くまでも道順が
家⇨ポスト⇨コンビニ⇨クリーニング屋⇨駅
の場合、
家(伊藤博文)
↓
コンビニ(黒田清隆)
↓
クリーニング屋(山縣有朋)
↓
駅(松方正義)
というように、記憶対象をなぞらえて、覚えたい順番に配置します。
覚える内容がたくさんある場合には、地図の範囲を広げることで対処します。
また、通勤中に通る駅の順番を利用して覚えたり、「おでこ⇨目⇨鼻⇨耳⇨口」など体を使って覚える「身体法」もあります。
そんなことで?と思われるかもしれませんが、多くの記憶力アスリートが活用している方法です。
最初は慣れないかもしれませんが、回数を重ねて慣れれば簡単には忘れず、大量のキーワードを順番通りに覚えることができます。
通勤時間は、ビジネスパーソンにとって貴重な勉強時間になります。通勤中に、通勤経路を絡めて覚えることができれば特に効果的でしょう。
順番通りに覚えたいときは、他のものと結びつける
語呂合わせ
「いい国(1192年)つくろう鎌倉幕府」
なんて学校で習った方も多いのではないでしょうか?
最近では、鎌倉幕府は、1192年ではなく1185年だったとのことで「いい箱(1185年)つくろう鎌倉幕府」と解説されているようですが、このように語呂合わせしてあると数字の羅列も覚えやすいと思います。
脳科学者も脳にとって負担の少ない効率的な暗記方法と言っています。
歴史の年号などは、下記のように紹介してくれているサイトや参考書なども販売されています。
語呂を紹介されていなかったとしても、慣れてくればコンビネーションのパターンが身について、簡単に語呂合わせを作ることができるようになります。
また、元素記号の周期表を「すいへいりーベー」と覚えるように、頭文字をとって語呂合わせをする方法が一番作りやすいです。
特にこの方法は、言葉のリズムで覚える手助けにもなりますし、船に乗る水平などの情景を思い浮かべることで記憶がさらに補強されます。
チャンキング
電話番号などの無意味な数字の羅列を覚えるときに
「314159265」
と見せられると覚えにくいし見難いと思います。
しかしこれにハイフンを入れて
「314ー159ー265」
このようにして3個ずつに分けると覚えやすくなります。
これを「チャンキング(小グループ化)」と言います。
これは、数字だけでなく漢字を覚えるときにも、ただ漫然と覚えるのではなく「木偏の漢字」「言偏の漢字」などとグループ化した方が覚えやすくなります。
一見、グループ化する作業が面倒に見えるかもしれませんが、覚えたいキーワードをまとめたり、分類したいすることで脳への刺激を増やし記憶に残りやすくなります。
感動的学習法
関心のないキーワードの羅列は覚えるのに苦労しますが、不思議なことに嬉しいことや悲しかったことは、それがたった一回の出来事であっても一生忘れないこともあります。
これは、感情を生み出す働きをする「扁桃体」が関係しています。「扁桃体」の隣には、記憶を司る「海馬」があります。
この「海馬」を刺激すればするほど神経細胞同士の結びつきが強くなりますが、「扁桃体」が活発に動いているときには、少ない刺激でも神経細胞同士の結びつきが強くはたり記憶に残りやすくなります。
つまり、感動しているときには、物事を覚えやすくなるということです。
例えば、歴史の登場人物を覚えるときでも、その人物史を読んで本人に感情移入することができれば、その人にまつわる年号や歴史を覚えることができます。
また、人でなくても動物や生き物の特性や、人体の組織の仕組みを知ることで感動することができれば、案外簡単に体内組織や器官の名称を覚えられたりするものです。
扁桃体(へんとうたい、英: Amygdala)は、ヒトを含む高等脊椎動物の側頭葉内側の奥に存在する[1]、アーモンド形の神経細胞の集まり。情動反応の処理と記憶において主要な役割を持つことが示されており、大脳辺縁系の一部であると考えられている[2]。
感情移入で記憶できる
スモールステップ法
これは、いきなり難しい問題に挑戦するのではなく、段階を踏んで問題の難易度を上げていく勉強法です。
かつて犬を使った実験で
モニターに丸い図形が出たときにだけ、ボタンを押すと餌が出る
という学習を覚えさせるときに
「ボタンを押すと餌が出る」と「丸い図形が出たときにだけ餌が出る」
と手順を分けて覚えさせたところ学習効果が10倍上がったとのことです。
人間においても、簡単な問題を少しずつ積み重ねるスモールステップ法で学習する方が効率よく記憶できます。
まずは簡単な問題から積み重ねる
ライオン法
このライオン法というのは、ライオンが狩りをするときこそ記憶するのに適しているという話です。
ちょっと意味がわからないかもしれませんが、ライオンが狩りをするときということは、すなわち空腹時ということです。
実際、空腹時の方が記憶力が上がるということが科学的に証明されています。
空腹時には、グレリンというホルモンが胃から分泌され、血流に乗って海馬に届き、神経細胞同士の結びつきを強化する働きがあります。
また、ライオンは歩き回りながら狩りをしますが、人間も歩いているときには、海馬からシータ波が出るために、記憶に定着しやすくなります。
ときには、ジーと机に向かってるだけでなく、歩きながら暗記するのにもチャレンジしてみてはいかがでしょう。
※外で歩きながら参考書やスマホを見ていると危ないのでやめてください
グレリン (ghrelin) は、胃から産生されるペプチドホルモン。下垂体に働き成長ホルモン (GH) 分泌を促進し、また視床下部に働いて食欲を増進させる働きを持つ[1]。
空腹時は暗記力が上昇する
まとめ
実際、ここで紹介した記憶法は、世界記憶選手権に出場しているトップアスリートたちが活用している方法です。人間の記憶のメカニズムは、脳科学によってすでに解明されている部分もあり理にかなった方法になります。
もし、新しいことを覚えるときには、この5つのテクニックを活用してステップアップしてください。